(189) Microsoft Keyboard の掃除 (パンタグラフ編)
先日から使い始めてみました、Microsoft Bluetooth Mobile Keyboard 6000。
周囲部が小さめで、フルキーとテンキーが分離した作りになっているので、机が広く使えます。
また、Microsoft Keyboard 中で最薄と謳うだけあり、キーストロークが浅いので、大量の打鍵がスムースに行えます。キータッチもなかなかキモチイイ感じです。
そんなこんなでただいまなかなかのお気に入り、コーディングに文章書きに楽しく使わせていただいておるわけですが。あんまり使ってて楽しいので、自宅のも仕事場のもこれで統一しちゃったわけですが。
先日、自宅のマシン前でゼリー食ってたら、シロップがはねて、キーボードにちょっとかかってしまいました。
こりゃいかん、とあわててティッシュで拭いたんですが、どうも翌日あたりから調子がおかしくなってしまいました。
なんとなくシロップを飛ばしたあたりのキーが固い。他のキーより強く押し込まないとキーが下がってくれず、押し込んだ時の感触も若干ぬるり、とした感じです。
だばだばと打ち込んでいると、そのキーだけ押し込み切れずに、文章入力に失敗してしまい安くなってしまいました。接触自体ができなくなっているわけではないんですがストロークのタッチが違うので、どうもキモチヨロシクない。
ということで、キーを外して掃除してみることにしました。
サイトにはどうも掲載されていないようですが、このキーボードはパンタグラフ式です。
ので、キートップを外すには、仕組みを把握した上で慎重に行う必要があります。
このへん、製品によって具体的なカタチは異なりますので、ここでお話するのはパンタグラフ式共通の手順ではありません。あくまでも今回は Microsoft Bluetooth Mobile Keyboard 6000 でのお話ですのでご注意ください。
このキーボードのパンタグラフは、こんな形になっています。
…接写するとどうしてもゴミが目立つなあ…撮るときにはまったく気づかなかったんですが。
真ん中にさかずきを逆さにしたようなラバードームがあり、これがキートップを支え、押し込んだ際に持ち上げる役割をします。接点はこの下部にあります。
パンタグラフは、外側のパーツと内側のパーツで、 横から見たときにX 字型に見えるように組み合わされています。
外側のパーツは手向こう(手前の逆)部の左右に 直径1mm 弱のシャフトがあり、キーボード本体側の金属製・逆 L 字型の爪に引っかかるようになっています。手向こうから手前にスライドして引っかけます。
手前部左右にもシャフトがあり、これがキートップの裏側に引っかかるようになっています。
内側のパーツはその逆、本体側とは手前部のシャフトが引っかかり、キートップ側とは手向こう部シャフトで引っかかります。
内側のパーツは左右中央にもシャフトがあり、これが外側パーツの左右中央内側の溝とジョイントしています。これはスライドではなく、内側パーツのシャフトを下に押しつけることでぱちんとはまるようになっています。ここが、パンタグラフが上下するときの回転軸となります。
本体側の爪の周りは金属製の板になっており(写真四隅の銀色部分)、外側・内側のパーツとも、L 字型の爪に支えられながらこの金属板の上をスライドすることでキートップの上下移動を支えるようになっています。
次はキートップの裏側です。
この写真では、左上がキートップの手向こう方向です。
パンタグラフ内側のパーツの手向こう部左右のシャフトがキートップ裏側手向こう部のニ字型の爪にかかります。こちらはキートップを上から押しつけることでパチンとはまるようになっています。
対してパンタグラフ外側のパーツはキートップ裏側手前部に引っかかるんですが、こちらは押し込むのではなく、キートップの手前側から手向こうへスライドしてシャフトを引っかけるようになっています。
要は、パンタグラフのジョイントは「引っかけ」と「押し込み」の 2 系統があり、これを考慮して取り外し/取りつけを行わないと、簡単にシャフトが折れてしまうということですね。
パンタグラフは、実際にはけっこう柔らかめの樹脂でできていて、少々乱暴に扱っても曲がる程度で簡単に折れはしませんが、万が一でも正常に機能しないほど曲がったり折れたりしてしまうと、メーカー修理または部品交換になってしまいますね。
では、実際に取り外してみます。
キートップ手前側のシャフト接続部は「引っかけ」型ですので、こちらを持ち上げて取り外そうとすると、パンタグラフ手前部シャフトが曲がる/折れることになります。
ので、薄めのドライバーをキートップ手向こう部から差し込んでテコのように持ち上げ、手向こう側の「押し込み」型接続部だけを外してやります。
ドライバーをねじると左右にかかる力が違ってしまい、パンタグラフをねじる形になって危ないです。慎重に、なるべく深くドライバーを差し込んで、パチンというまでドライバーの柄の方を持ち上げていくのがベストアクションだと思います。
パチンという音が聞こえたら(もしくはそれ相当の手応えを感じたら)、キートップを手向こうにスライドさせて、パンタグラフとの手前側「引っかけ」型接続のシャフトを抜きます。
これでキートップが外れます。
ネットでキートップの外し方を調べると、とにかくキートップを上に持ち上げて外すような記述しか見つからなかったんですが、このキーボードの場合はむやみに持ち上げると簡単に壊れます。
次に、パンタグラフの外側・内側のパーツをジョイントしている左右中央の回転軸ジョイント部を外してやります。
ここも力技でむしるとシャフトが曲がる恐れがあるので、内側パーツの下に錐(きり)状の支えを差し込み、ピンセットなどで外側のパーツだけを押し下げて片側ずつ外します。
回転軸ジョイントが外れれば、外側パーツを手向こうにスライドさせて本体 L 字型の爪から抜き、内側パーツを手前にスライドさせて同様に爪から抜きます。
ここまで分解してから観察。キーボート本体側の金属板(パンタグラフシャフトがスライドする部分)にゼリーのシロップが乾いて粘性を持ち、シャフトのストロークスライド時に負荷をかけていたのが今回のキータッチの感触が変わった原因だとわかりました。
簡単に言うと、キーの上下がネバついていたわけですね。
シロップの侵蝕はごく少量で、見た目にはコンマ何 mm の汚れ程度にしか見えなかったんですが。
原因がシロップのネバつきだとわかれば、あとは簡単。
水をしませた綿棒に金属板をこすってシロップを溶かし、乾いた綿棒で水を拭き取ればいいんです。
一度に大量の水をしませるとよけいなところまで流れてしまうので、少し溶かして少し拭きとって、を慎重に根気よく続けます。
まったく汚れがなくなりピカピカになるまで、丁寧に磨きます。
最近私は老眼が進み、細かいところを見にくいので、スタンドライトで手元を強力に照らし、拡大鏡を使って汚れなしのピッカピカになったことを確認しましたよ。
掃除が終わったら、今度は組み立てです。
この作業もネットで検索すると、キートップを上から押し込む程度の記述ばかりでしたが、このキーボードでそんなことをしても取りつけることができません。慎重に行きましょう。
まず、パンタグラフ外側のパーツを手向こうから手前へスライドさせて、手向こう部シャフトを L 字型の爪にひっかけます。
このとき、パンタグラフが少しでも浮いているとシャフトがうまく爪の下に入り込みませんので、ピンセットなどでパンタグラフ手向こう側を抑えながらスライドさせるといい感じです。
次に、パンタグラフ内側のパーツを、外側のパーツの内側に差し込みます。
外側パーツの手前側を持ち上げ、内側パーツの手前側から差し込んでいくんですが、シャフトが邪魔ですので、内側パーツの左右どちらかをやや手前側にした斜めの状態で差し込み、くぐらせてから左右位置を戻します。
それから内側のパーツを手向こうを持ち上げた斜めの状態にして、手前側のシャフトが L 字型の爪より手前にくるまでずらしてから手向こうへスライドさせ、シャフトを爪に引っかけます。
ここも慎重に作業しないと、パンタグラフがバネのようにびよんと跳ねます。
手向こう・手前の爪にそれぞれシャフトが引っかかったら、回転軸ジョイント部を接続します。
左右両方のジョイント部に(キーボード本体のではなく自分の)爪を立て、両方いっぺんに静かに押し込むと、パチンとはまります。
これでパンタグラフの組み立ては完了。
最後に、キートップを取りつけます。
まず、パンタグラフ外側パーツ手前側のシャフトをキートップ裏側手前側の「引っかけ」型の爪に引っかけます。
定位置よりやや手向こうにキートップを置き、手前側を押し下げながら手前へスライドさせるとうまく引っかかります。
スライドできなくなればそこが定位置ですので、キートップ手向こう側を押し下げると、手向こう側の「押し込み」型の爪とパンタグラフ内側パーツ手向こう側シャフトがパチンと接続できます。
これで、全作業が完了です。
とまあ、くどく丁寧に説明してみました。
どちらかというと、誰かに伝えるというよりは、次回自分でまた同じことをしなければならないハメになった時の備忘録みたいなもんですが。
パンタグラフの機構は、どうもキーボードによってそれぞれ異なるようです。
回転軸ジョイントが左右ではなく上下にあるもの、回転軸ジョイントがそもそもないもの。
本体側の接合部が 「引っかけ」型ではなく「押し込み」型や「穴」型のもの。
キートップとの接合部がすべて「押し込み」型のもの。
同じメーカーでも、すべて同一の構造とは限りません。
製品の発売時期やグレードによって、異なるメカニズムを採用しているケースもあるようです。
さらに、同一製品でも、発売時期で採用メカニズムが変更されているケースもありそうです。
ので、自分の使っているキーボードがどんなメカニズムになっているかは、慎重に調べてみた方がよさそうです。
ちなみに。
冒頭では長所ばかり述べましたが、私はこのキーボードにも若干の不満があります。
- ファンクションキー・ ESC キー・カーソルキーが小さい。
私はむしろ英数キーより多用しますので、ここが小さいとかなり使いにくいです。 - Home キー・ End キーが Fn +~ に割り当たっている。
これも多用するキーなので、Fnキーなしでおせる方が好みです。 そもそもFnキー自体の存在も嫌いですし。 - アプリケーションキーがない。
私はマウス右クリックではなくアプリケーションキー押下派ですので、これがないのはイタいです。 - BackSpace キーの直右に Delete キーがある。
今まで使っていたキーボードはすべてフルキー側最右上が BackSpace キーでしたので、つい間違えて Delete キーを押しちゃうんですよ。 - Bluetooth。
私のマシンはマザーボードが対応していないので、USB アダプタを取りつけて使っているんですが、このアダプタは OS の管理下にあるんですね。
つまり、OS が起動していない状態、BIOSメニューなどの段階では認識してもらえません。
Bluetooth 対応のマザーボードに換えようかなあ…(;-;)。
嬉しいのは、
- 左側のWindows キー・Cntl キー・Alt キーがでかい。
押しやすい。 - メールキーやブラウザキーなどの、よけいな機能キーがほとんどない。
私はこれらの「お便利キー」は使わないので、その分机上のスペースが取られるのは不満でした。
このキーボードもボリュームキーだけはあるんですが、まあ小さいのでガマンできるかと。 - Fn キーが右側。
左側にあると、Alt キーなどとよく押し間違ってイライラすることが多かったので。
無効にしようにも、Fn キーはOS のキー管理から外れちゃっているので、今まで打つ手がなかったんです。 - Bluetooth。
無線キーボード・マウスは、受信機側の感度が悪くて購入即破棄のパターンがけっこうあったんです。Microsoft 製無線キーボードも、自宅では OK でもノイズかまびすしい仕事場では NG 、なんてこともあり。
このキーボードは、ほんとに送受信の感度がいいです。机から離れて膝に置いて安定操作できたのなんか初めてですよ。
こんなに安定するんなら、マウスも Bluetooth 対応の奴に換えようかなあ。 - 電池長持ち。
これは Microsoft 製マウス・キーボード全般に言えるんですが、単 3 ~ 4×2本で、数カ月持ちます。
以前 MELCO 製で、2週間ごとに 単3×2本を取り替えなきゃならないマウスに当たったことがあって、コストパフォーマンスの悪さに辟易した経験があります。
総合してここまで納得できたのは、FALCO のメカニカルキーボード以来ではないでしょうか。
(FALCO のもよかったんですが、…キーストロークの深さと打鍵音の大きさがネックで使うのをやめました。)
ある程度キー割当を変更して使っていますが、85 ~90% の満足度です。
もう当分、他の製品に乗り換えはしないと思いますよ。
